オーム電機 RAD-F770Z-WK


本製品は実売価格が2400円前後の安価なホームラジオです。プリントされた木目調のフロントパネルが若干チープな印象なのでラジオとしての性能にもあまり期待はしていませんでしたが、実際に使ってみたら高感度で、しかも音が良いです。木目調のパネルと比較すると左側スピーカー部分のパンチメタル部分の仕上げはなかなか良いと思います。私は今までラジオに限らずオーム電機が販売する商品を何種類か購入したことがありますがどれもハズレはありませんでしたので同社の商品にはかなりの好印象を持っています。本機もその例に漏れず非常に気に入りました。

肝心の受信性能に関しては、私が中波ラジオの感度判定基準にしている微弱なハイウェイラジオ(1620kHz)が確りと受信できましたし、条件が良いと昼間に関西のAM局が受信できました(受信地は東京都)ので文句なく高感度ラジオだといってよいでしょう。オーム電機のサイトや説明書に記載されている中波の定格受信周波数範囲の上限は1600kHzとなっていますが実際には1640kHz辺りまで受信できます。但しAMもFMもダイアル変速比の関係からか最適同調点に合わせるのがちょっと難しいためチューニングは少し遣り辛い感じがします。まあ、その癖さえ覚えてしまえばある程度は遣り辛さは解消されると思いますが、ダイアルの感触自体は適度な重さもあって決して悪くはありません。スピーカーの音質はこの価格のラジオとしては実に素晴らしく、特に低音強調スイッチをONにするとかなりのHiFi音声になります。この点ではPanasonicのU70及びU99を凌駕していると思います。ただ、イヤホン端子はステレオイヤホンがそのまま使える仕様なのですが、何故か左右が逆相になっているようで聴くのが辛く、この点だけはいただけません。

電源はACコード及び単1電池を4本使用するタイプです。説明書の定格表にはアルカリ電池使用時で200時間聴取可能との事なので電池の保ちは非常に良いですし、付属のACコードを使えば聴取時間については全く気にする必要はないです。私は単3型ニッケル水素電池を単1型スペーサーに入れて使っていますがアナログ選局なので余計な回路もなくかなり保ちそうです。これで同調表示やダイアル照明ライトが付いていれば完璧でした。

結語として、本製品は性能対価格比が非常に優れていますので、安価で高感度ラジオが欲しいという方には大変良い選択肢だと思います。

2017年7月11日