このラジオは長く愛用してきたもので、テンキーやマニュアルチューニングボタンが経年で黄色く変色しています。(笑) 使いやすくてお気に入りでしたがロッドアンテナを支持しているプラスチックの部品が破損したため(エンジニアリングプラスチック製らしく、色々な接着剤を試してみましたがどうしても接着できず諦めました)、ロッドアンテナを取り外して一時期現役を引退していました。本機の代替品として、評判のよいDEGEN DE1103を購入したのですが、感度、操作性、音質とも7600Dには僅かに及ばないため外部アンテナ端子に自作のアンテナを接続することで現役復帰を果たしました。
このラジオの液晶直読周波数表示は最小5kHzなので、以前はこの点がやや不満でした。しかし1kHz直読のDE1103を使ってみて、普通に短波放送を聴く分には選局の迅速性や確実性から考えても5kHz単位で充分だと理解しました(9kHzステップの中波放送を受信する際、ラジオのチューニングダイアルを廻した時に1kHz単位で周波数が変化するのが無意味であるのと同じことです)。また、DE1103のSSB復調専用のファインチューニングつまみとは異なり7600Dのファインチューニングつまみは受信周波数を5kHz以下で微調整することが出来ます。SSB復調時は時間の経過に伴いほんの僅かずつですが周波数がずれていきますし、選択度切替スイッチがないので隣接した局をスイッチ一つでシャープにカットすることは出来ませんが実用上は殆ど問題ありません。これらの点と、周波数メモリー機能に関してはDE1103に一歩譲りますがそれ以外の総合的な性能は7600Dの方が明らかによいです。同じPLLシンセサイザー方式でもバックグラウンドのノイズが少ないことは一聴してわかりますしSSBのピッチも合わせ易く(DE1103の方はピッチコントロールの幅が狭いので1kHz単位で一番近い周波数を探らなければならず、目的の周波数に辿り着くまでが面倒です)、基板上の部品点数も多く実に丁寧に作ってあります。音質も、ボリュームノブを相当上げないと音が割れたりせず、また帯域的に過不足がないため非常に聴きやすく、音楽も充分楽しめます。この辺が貫禄というか安い中国製ラジオとは違うところですね。こういうラジオを手にしているとどうしても中国製品が薄っぺらく感じてしまうのは仕方がないことかも知れません。今まで散々酷使してきましたが、新規購入したDE1103が今一つ自分の手に馴染まないので、まだまだ現役で活躍して貰うつもりです。(笑)